安全性試験(つづき) ヒノキ枝の比重測定の結果
ヒノキの枝の比重 0.63 と出る!
その後友人で構造力学の大家である井手さん相談しました。
詳細は省略しますが、井手さんの検討からわかったことは、板材から作った棒による実験結果は、ヒノキ(比重0.42)の計算強度とぴったり一致したこと。(50kgの安間さんで簡単に折れたので、限界を40㎏と推定) 図の青点 (多少いいかげんな実験と思っていなかったわけでもなかったから、これにはびっくり。)
それでも枝が板材より強いという理由はわかりません。
仮説として、①枝の比重が大きい、②リング状の年輪がなんらかの作用をしている、③その他、が考えられます。
それでは枝の比重を測ってみよう、ということになりました。
今回は、容積は寸法計測からの計算で、重さはクッキング用の測りで行うことにしました。
比較のために、まず板材から
① 実験で折れた板棒 2本 結果は、0.47 丸棒といっても真円ではないので多少誤差ありか
② 手持ちのヒノキの板材 3サンプル 結果は、0.42~0.43
ついで、ヒノキ枝材
③ 手持ちの幼児ウインザーチェアの脚5本 結果は、0.6~0.66
④ 同じく手持ちのウインザーチェアの脚2本 同じく、0.6~0.64
( 容積は、ホゾ部分と分け、傾斜部は元口と末口の直径の平均で計算し、足し算した)
⑤ 枝材を角棒にしたもの 1本 0.67
⑥ 皮を剥いたおおむね真円に近い枝棒 1本 0.74
③を計算してみてびっくり 枝材の比重が1.5倍大きい!
確かに、これなら実験結果と一致するが、枝の比重が幹より大きいとはこれまで聞いたことはなった。
両方の計測結果を、図にした。 容積と重さでプロットしたが、これによると板材は0.42 枝材は0.63
ちょうど来訪されていた白鳥林工の石ヶ谷さん、ツバキラボの和田さんに計測結果を見てもらった。
ヒノキ枝の比重については、「枝は測りませんもんね・・・」という石ヶ谷さん
枝には「アテ」がみられることから、「比重の増大はアテによるものか?」というところで、お開きに
でも、「枝は確かに板材より強い」ということは意見が一致しました。
ちなみに、その後思いついて、手持ちのスギの枝についても比重を測ってみました。
⑦ 皮を剥いたおおむね真円に近い枝棒 5本 結果は、ばらつきはありますが平均0.59
スギ材の比重は、0.38といいいますから、やはり枝材の比重の方が大きいという結果に
見出し写真は、制作中のヒノキのウインザーチェアの座面
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